レーザ工程におけるトレンチの深さ及び幅の実時間制御用スポットサイズ及び切削速度のオンザフライ操作法
专利摘要:
システム及び方法は、レーザビームの単一パスを使用して、材料に複数の幅のトレンチを切削する。第1のレーザパルス系列は、第1のスポットサイズを使用して、第1の切削速度で、前記材料の加工表面を切削する。第1のトレンチ幅から第2のトレンチ幅への移行領域においては、漸次に前記第1の切削速度から第2の切削速度に変わる間に、第2のレーザパルス系列が、連続的にスポットサイズを変える。そして、第3のレーザパルス系列が、第2のスポットサイズを使用して、前記第2の切削速度で、前記加工表面の切削を続行する。本方法は、前記移行領域で、強化された深さ制御を提供する。システムは、レーザビーム経路において選択的に調節可能な光学素子を使用し、前記加工表面に対して焦点面の位置を調節することによって、スポットサイズを迅速に変更する。 公开号:JP2011516267A 申请号:JP2011501976 申请日:2009-03-24 公开日:2011-05-26 发明作者:アルペイ,メフメト,イー.;チルダース,デビッド;ヨハンセン,ブライアン 申请人:エレクトロ サイエンティフィック インダストリーズ インコーポレーテッド; IPC主号:B23K26-36
专利说明:
[0001] 本開示は、レーザによる材料の加工に関し、特に、本開示は、レーザマイクロ加工アプリケーション(laser micro-machining applications)において、スポットサイズ及び切削速度のオンザフライ操作による、トレンチの深さ及び幅のリアルタイム制御に関する。] 背景技術 [0002] レーザマイクロ加工システムを使用する典型的なルーティング(routing)アプリケーションでは、ビームおよび/または基板自体を移動させながら基板へのレーザエネルギーの送達が必要になる。大抵の場合、エネルギー送達率(「加工表面に対する仕事率」)及び、ビームおよび/または基板が移動する速度(「切削速度」)が一定の値に維持され、切削全体に亘って、切り溝または「トレンチ(trench)」の幅と深さの均一性が与えられる。得られるトレンチの深さと幅は、加工表面上のビームスポットサイズ、各レーザパルスのエネルギー、連続パルス間の空間間隔(「バイトサイズ」)、及びレーザ−材料の相互作用特性によって影響される。] [0003] 通常、スポットサイズ、パルスエネルギーおよび/またはバイトサイズの1つ又は複数が、同じ基板上に異なる断面形状のトレンチを切削するのに調整される。典型的なレーザマイクロ加工においては、これらの3つのシステム設定値のうちの1つを変更すると、システムは、異なる「パス」で、異なる横断面形状のトレンチを加工する。たとえば、システムは、一種類のトレンチを加工し、3個の設定値の1つ又は複数を変更し、そして、新しい設定値に対応するトレンチを加工してよい。このプロセスが、トレンチの種類毎に繰り返されてよい。この単純な方法は、通常、「マルチパス」加工と呼ばれる。] [0004] 上記で議論された異なる幅のトレンチを結合する従来のマルチパスの加工には、いくつかの問題がある。たとえば、一般に異なるパスにおいて異なる幅のトレンチを加工することは、ビームポジショナーが、異なる幅を有する新しいトレンチのルーティングを開始するために、前のパスにおいてトレンチを終えた同じ点に戻ることを意味する。これは、ビームポジショナーサブシステムの繰り返し性に対して重大な要求を課する。これも、一般的に総合システムスループットを低下させる。] [0005] 異なる形状のトレンチを切削するためにマルチパス加工を使うことに関する別の問題は、たとえシステムの繰り返し性/精度の懸念が対処されたとしても、異なる幅を有するトレンチの側壁角(wall angle)の差異のため、移行領域全体に亘って一定の深さを維持することが難しいということである。] [0006] 図1、2、及び3は、(例えば、異なるトレンチの幅を得るために複数パスにおいて1つのスポットサイズから別のスポットサイズに変わる場合)移行領域内で一定のピークの累積エネルギー分布を維持することの困難さを例示している。図1は、ガウス型スポットを使用して、スポットサイズ及び切削速度の急激な移行に由来する累積パルスエネルギー密度の空間分布を表している2つのグラフ(2次元のグラフと3次元グラフ)を含む。図1に示される累積パルスエネルギー密度は、たとえば、ほぼ完全な繰り返し性を有する2-パスの実行に対応する。この例では、第1のパスは、10μmのスポットサイズと3μmのバイトサイズを使用する。第2のパスは、20μmのスポットサイズと1.5μmのバイトサイズを使用する。図1の2次元グラフは、移行領域110においてトレンチを広げることを概念的に例示している。図1の3次元グラフは、移行領域110内のピークの累積エネルギー分布の変動112を例示している。] 図1 [0007] 図2はまた、第2の(より厚い)トレンチ配置が繰り返し誤差のために3μmだけ位置合せを誤っている場合、2-パス実行に由来する累積パルスエネルギー密度の空間分布を表している2つのグラフ(2次元のグラフと3次元グラフ)を含む。前述の如く、2つのパスとも、ガウス型スポットを使用する。第1のパスは、10μmのスポットサイズと3μmのバイトサイズを使用する。第2のパスは、20μmのスポットサイズと1.5μmのバイトサイズを使用する。図2の2次元グラフは、移行領域210でトレンチを広げることを概念的に例示している。図2の3次元グラフは、移行領域210内のピークの累積エネルギー分布の変動212を例示している。 図3は、図1と2に例示される2つの急激な移行シナリオのピーク累積エネルギー密度の間の差異を例示しているグラフである。図示の通り、繰り返しシナリオと、3μmの繰り返し誤差を有するシナリオの両方とも、それぞれの移行領域110、210内で、相当な変動112、212を招いている。ピークの累積エネルギー密度における両方の変動112、212は、移行領域110、210内で、深さの好ましくない変化を引き起こす可能性がある。] 図1 図2 図3 課題を解決するための手段 [0008] システムと方法は、レーザビームの単一パスを使用して、材料に複数の幅のトレンチを切削する。トレンチの深さ制御が、異なる幅を有する、トレンチの区画の間の移行領域で維持される。 一実施形態において、レーザビームの単一パスを使用して、材料に複数の幅のトレンチを切削する方法が提供される。本方法は、前記材料の加工表面に対して前記レーザビームの第1の切削速度で、第1のレーザパルス系列を使用して、前記加工表面を切削することを含む。前記第1の系列の各レーザパルスは、前記加工表面において第1のスポットサイズを有する。移行領域では、本方法は、前記移行領域の始まりの前記第1の切削速度から前記移行領域の終わりの第2の切削速度に漸次に変わることを含む。前記切削速度が前記移行領域において漸次に変わるので、本方法は、前記加工表面を第2のレーザパルス系列を使用して切削することを含む。前記第2のレーザパルス系列は、前記移行領域の前記始まりの前記第1のスポットサイズから前記移行領域の前記終わりの第2のスポットサイズに、スポットサイズを連続的に変える。それから、本方法は、前記レーザビームの前記第2の切削速度で、各々が前記第2のスポットサイズを有する第3のレーザパルス系列を使用して、前記加工表面の切削を続ける。] [0009] 別の実施形態においては、レーザビームの単一パスを使用して、材料に複数の幅のトレンチを切削するシステムは、前記レーザビームを発生するレーザ源と、前記レーザビームを受信する第1の光学構成要素とを含む。前記第1の光学構成要素は、前記材料の加工表面に対して焦点面の位置を変えるように選択的に調節可能である。本システムはまた、前記レーザビームを前記材料の前記加工表面に向ける第2の光学構成要素を含む。前記レーザビームによって前記加工表面に切削される第1のトレンチ幅と第2のトレンチ幅との間の移行の間に、前記レーザビームと前記加工表面の間の切削速度は漸次に変化し、そして、前記第1の光学構成要素が一連の変化を受け、前記加工表面におけるスポットサイズを連続的に変化させる。 さらなる態様、及び利点は、添付の図面を参照しながら進める好適な実施形態についての以下の詳細な記述から明らかになる。] 図面の簡単な説明 [0010] 1つのトレンチ幅から別のトレンチ幅に急激に移行するとき、従来のレーザ加工システムに対応する累積パルスエネルギー密度の空間分布を表すグラフである。 1つのトレンチ幅から別のトレンチ幅に急激に移行するとき、従来のレーザ加工システムに対応する累積パルスエネルギー密度の空間分布を表すグラフである。 図1と2で例示される2つの急激な移行シナリオのピーク累積エネルギー密度の差異を例示しているグラフである。 1つの例示的実施形態による「速い」移行シナリオに対するパルス位置とスポットサイズとのグラフである。 図4の例示的実施形態による「速い」移行と「遅い」移行とに対して、線形に増加する中間スポットサイズに対応する切削速度の時間プロファイルを表すグラフである。 図4と5の例示的実施形態による速い移行に由来するエネルギー密度分布を表わすグラフである。 図4と5の例示的実施形態による遅い移行に由来するエネルギー密度分布を表すグラフである。 図4と5の例示的実施形態による3つの異なるシナリオに対して移行領域全体に亘るピークエネルギー密度変化の比較を表わすグラフである。 ビームステアリングサブシステムと走査レンズの前にある弱いレンズ(weak lens)を移動させることによって、加工表面のスポットサイズを迅速に操作する装置のブロック図である。 ビームステアリングサブシステムと走査レンズの前にある「適応」ミラーの表面曲率を操作することによって、加工表面のスポットサイズを迅速に操作する装置のブロック図である。] 図1 図4 実施例 [0011] ここに開示されるレーザ加工システム及び方法によって、移行領域全体に亘ってほぼ同じ深さを維持しながら、異なる幅のトレンチを「結合」することができる。一実施形態においては、上で概説したマルチパス加工の問題を回避する方法には、移行領域全体に亘って深さ制御を維持しながら、スポットサイズと切削速度とを「オンザフライ」に操作して、異なる幅の結合されるトレンチ間のスムーズな移行を達成することが含まれる。] [0012] スポットサイズと切削速度のオンザフライ操作によって、異なる幅のトレンチの間で連続的な移行が可能となる。これによって、同様に、単一パスによる、異なる種類のトレンチの加工が可能となる。こうして、ビームポジショナーサブシステムのシステム精度と繰り返し性とに対する懸念が低減されるかまたは除去される。さらにまた、スポットサイズの変化の間の切削速度の連続操作によって、同様に、レーザシステムが、移行領域全体に亘って一定のトレンチの深さを維持するのを可能にする第2の自由度が得られる。] [0013] 第1次近似として、トレンチ形状は、トレンチ形成の間に加工表面に送達されるレーザパルスの(空間における)累積エネルギー分布の縮小版(scaled version)と期待される。従って、1つのトレンチ幅から別のトレンチ幅に移行する間に一定の累積ピークエネルギー密度を維持することによって、移行領域全体に亘って良好に深さが制御される。このように、ここに開示される特定の実施形態において、スポットサイズと切削速度の同時操作によって、良好な深さ制御を維持しながら、トレンチ幅の変更が可能になる。それに沿って、そのような移行中のスポットサイズ及び切削速度の時間プロファイルを計算する方法が、ここに開示される。以下に記すこの問題に対する解法は、ガウス型スポットに特有である。しかし、当業者は本開示から、類似した解法が同様に他のスポット形状に対しても適用してよいことが分かる。] [0014] ガウス型スポットを有するレーザパルスに関係する空間エネルギー分布E(r)を次のように表わすことにする。] [0015] E(r) = A×exp(-r2/(2×σ2)) ここで、Aは、エネルギー振幅であり、rは、ガウス型スポットの中心からの距離であり、そして、σは、強度が中心強度と背景強度との間の中間である、ガウス型スポットの中心からの距離である。] [0016] 「δ」のバイトサイズだけ一様に間隔をあけられたパルスの無限の系列から得られる、累積ピークエネルギー密度、E_peakは、次によって近似できることが示される。] [0017] E_peak = A×σ×sqrt(2×π)/ δ この「近似式」は、δ<=2×σに対して非常に正確である点に留意する必要がある(例えば、級数値と解析的な式の間のワーストケース不一致はおよそ1%)。] [0018] 各パルスの全エネルギー、E_pulseは、円筒座標におけるE(r)の体積積分によって計算できて(ここで、rは0から無限まで積分され、そして、rの角オフセット、θは0から2×πまで積分される)次を与える。] [0019] E_pulse = A×2×π×σ2 。] [0020] それから、スポットサイズが、スポットサイズSS1からスポットサイズSS2に変わるとき、標準的な1/e2直径をスポットサイズとして使用すると、 SS1 = 4×σ1、及びSS2 = 4×σ2 。] [0021] 2つのパルスタイプにおいて全エネルギーが同じままでなければならないので、振幅についての以下の関係がある。] [0022] A1×(σ1)2 = A2×(σ2)2 => A1×(SS1)2 = A2×(SS2)2 。 E_peakについて、同じ値を維持するには、 A1×σ1×sqrt(2×π)/δ1 = A2×σ2×sqrt(2×π)/δ2 => A1×SS1/δ1 = A2×SS2/δ2 バイトサイズは、δ1からδ2に変わる。これらの等式は、組み合わせてよく、バイトサイズδ1とδ2の以下の関係が得られる。] [0023] SS1×δ1 = SS2×δ2 。] [0024] 移行中のスポットサイズの時間変化は、SS(t)によって与えられる。ここで、SS(0)= SS1、且つSS(T)= SS2である。この式では、t = 0は移行の始まりを示し、そして、t=Tは、移行の終わりを示す。移行の始まりより以前のバイトサイズが「δ1」であると仮定して、移行中の間のバイトサイズの時間プロファイル、「δ(t)」は、次から計算できる。] [0025] SS1×δ1 = SS(t)×δ(t) => δ(t)= SS1×δ1/SS(t) 移行終了後のδ(T)は次となることに注意する。] [0026] δ(T)=SS1×δ1/SS(T)= SS1×δ1/SS2 = δ2 。] [0027] このように、δ(T)は境界条件δ(T)= δ2を満たす。] [0028] バイトサイズ「δ」と切削速度「Vc」間には比例関係がある。パルス繰り返し周波数(PRF)が与えられると、この関係は次によって与えられる。] [0029] Vc =δ×PRF それゆえに、切削速度の時間プロファイルが次から得ることができる。] [0030] Vc(t)=δ(t) ×PRF(t)= PRF(t)×SS1×δ1/SS(t)。] [0031] パルス繰り返し周波数がずっと一定の速度に維持されるならば、この関係は以下の様にさらに単純化できる。] [0032] Vc1 = δ1×PRF=> δ1 = Vc1/PRF ; Vc2 = δ2×PRF => Vc(t)= PRF×SS1×δ1/SS(t)= PRF×SS1×Vc1/(PRF×SS(t))= Vc1×SS1/SS(t) 。] [0033] 健全性チェックとして、 Vc(T) = Vc1×SS1/SS(T)= Vc1×SS1/SS2 = PRF×(δ1×SS1/SS2)= PRF×δ2 = Vc2 そしてそれは再び、この移行の終わりの境界条件Vc(T)= Vc2を満たす。] [0034] 移行の間の「中間」パルスがそれらを囲んでいる無限に多くの「同胞」を有していないので、上記の分析において開発されたアルゴリズムは、もともと「近似」であることに留意する必要がある。その結果、上記の等式が導出されるピークエネルギー分布計算は、移行の間、「近似的に」満たされるだけである。それでも、スポットサイズと切削速度プロファイルの間で確立された関係は、大抵の場合十分で、必要に応じて、更なる改良の出発点として役立ち得ると期待される。] [0035] 例えば、上記のアルゴリズムは、以下の問題に適用される:SS1= 10μm ; δ1= 3μm ; SS2= 20μm;そして、δ2 = SS1×δ1/SS2 = 10×3/20 =1.5μm。言い換えると、ガウスレーザビームは、単一パスにおいて、10μmのスポットサイズと3μmのバイトサイズから20μmのスポットサイズと1.5μmのバイトサイズに変わる。この例では、スポットサイズが移行の間の時間の一次関数として変わると仮定されている。 本例の第1のシナリオは、スポットサイズが1パルスに当り1μm変化する「速い」移行を含む。本例の第2のシナリオは、スポットサイズが1パルス当り0.5μm変化する「遅い」移行を含む。パルス繰り返し率が、どちらの場合も、移行全体を亘って一定のままと仮定されていることに留意する。このように、スポットサイズが時間の一次関数として変化するという主張は、結果として、スポットサイズのパルスベースの変化率が一定になる。] [0036] 図4は、「速い」移行シナリオに対する、パルスの位置(x軸に沿って)とスポットサイズのグラフである。移行領域410では、10個のレーザパルス412は、10μmから20μmまで一様にスポットサイズが増加する。第2の「遅い」シナリオに対する分布は、図4に示すそれと同様であるが、移行の間には、2倍の数の中間パルスを含む。] 図4 [0037] 図5は、この例示的実施形態において「速い」移行(プロファイル510)及び「遅い」移行(プロファイル512)対する、線形に増加する中間スポットサイズに対応する切削速度の時間プロファイルを表しているグラフである。切削速度のプロファイル510、512は、上で展開された式から計算される。 図6、7、及び8は、(図1、2、及び3に示される従来のマルチパス加工による一定のピーク累積エネルギー分布と比較して)移行領域内における一定のピーク累積エネルギー分布の維持の改善を例示している。図6は、速い移行に由来するエネルギー密度分布を表す2つのグラフ(2次元グラフと3次元グラフ)を含む。本例の速い移行では、移行領域610に、一様に増大するスポットサイズの10個の中間パルスがある。図6の2次元グラフは、移行領域610でトレンチを広げることを概念的に例示している。図1と2のピーク累積エネルギー分布の変動と比較して、図6の3次元グラフは、移行領域610内のピーク累積エネルギー分布の変動612の相当な縮小を例示している。 図7はまた、遅い移行に由来するエネルギー密度分布を表している2つのグラフ(2次元グラフと3次元グラフ)を含む。本例の遅い移行では、移行領域710に、一様に増加するスポットサイズの20個の中間パルスがある。図7の2次元グラフは、移行領域710でトレンチを広げることを概念的に例示している。図1、2、及び6のピーク累積エネルギー分布の変動と比較して、図7の3次元グラフは、移行領域610内のピーク累積エネルギー分布の変動712の相当な縮小を例示している。 図8は、図1、6、及び7に例示された移行シナリオに対するピーク累積エネルギー密度の差異を表しているグラフである。図8で示すように、図1(2-パス実行を行う場合で繰り返し誤差の無い)の急激な移行シナリオには、図6の(10個の中間パルスを使用する)速い移行シナリオの変動612と図7の(20個の中間パルスを使用する)遅い移行シナリオの変動712の両方よりかなり大きな変動112がある。このように、ここに記載したような切削速度と共にスポットサイズの漸次な操作は、「急激な」移行と比較して、ピーク累積エネルギー密度に対してほとんど変化をもたらさない。さらに、ここに記載されるアルゴリズムの近似的性質から見られるように、より遅い移行の変動712はより速い移行の変動612より小さい。] 図1 図5 図6 図7 図8 [0038] 加工物の加工表面のスポットサイズは、たとえば、集束(スキャン)レンズと加工表面の間の相対的な距離を変えることによって変化させてよい。これは、集束レンズか、加工物を保持するチャックかのいずれかを動かすことによって実現してよい。別の実施形態では、加工表面のスポットサイズは、ビーム経路内の光学構成要素を操作することによって実効焦点面を変えることによって変化させてよい。] [0039] これらの2つのアプローチのうち、集束レンズと加工表面の間の相対的な距離を変えることは、トレンチ幅を「オンザフライ」に変更する実際的な解決策ではないかもしれない。名前の「オンザフライ」スポットサイズ調整が示唆するように、スポットサイズが変化する時間は、非常に短い(例えば、約0.1ミリ秒のオーダ)。大きく重い物体、例えば走査レンズまたはチャックをこの時間内に動かすことは、困難または不可能である場合がある。従って、一実施形態においては、光路の他の「より小さい/より動かし易い」構成要素を調整して、レーザビームの有効焦点距離を変えることによってスポットサイズを変化させる。] [0040] 図9は、一実施形態による加工表面908で、レーザビーム906のスポットサイズ904を迅速に操作するシステム900のブロック図である。システム900は、入力レーザビーム906の光路内に、弱い可動レンズ910と、ビームステアリング光学素子912と、走査レンズ914とを含む。弱い可動レンズ910と走査レンズ914は、システムの有効焦点距離を変える「複合」レンズとして機能する。 このように、焦点面916の位置は、弱い可動レンズ910と走査レンズ914間の距離の関数として変わる。従って、焦点面916は、走査レンズ914を動かすことなく弱いレンズ910を動かすことによって「動かし」てよい。一実施形態においては、レンズ910は、マルチレンズ素子であり、それでは、1つ又は複数のレンズ素子が、走査レンズ914に対して移動し、焦点面916の位置を変えるように構成される。] 図9 [0041] 焦点面916の位置が変化すると、加工表面908においてスポットサイズ904が変わる。たとえば、図9は、(実線で示される)第1の位置と、そして、(仮想線で示される)第2の位置にある弱い可動レンズ910を示している。弱い可動レンズ910が第1の位置にあるとき、焦点面916は、加工表面908に対して(実線で示される)第1の位置にある。従って、レーザビーム906は、加工表面908において(実線で示される)第1のスポットサイズ904を形成する。弱い可動レンズ910が、第2の位置へ動かされた後は、焦点面916は、加工表面908に対して(仮想線で示される)第2の位置にある。従って、レーザビーム906は加工表面908において(仮想線で示される)第2のスポットサイズ904を形成する。] 図9 [0042] 走査レンズ914は、複数の光学素子を含んでよく、弱い可動レンズ910と比較して大きく、重くてよい。こうして、走査レンズ914は、高速に動かすのが難しい場合がある。他方、弱い可動レンズ910は、入力レーザビーム906の直径とほぼ同じくらい小さくてよく、1〜2個の光学素子だけを含んでよい。こうして、弱い可動レンズ910は、走査レンズ914よりかなり軽く、高速に動かすのに非常により容易である。] [0043] 図10は、別の実施形態による、加工表面908におけるレーザビーム906のスポットサイズ904を迅速に操作するシステム1000のブロック図である。システム1000は、入力レーザビーム906の光路内に、適応レンズまたはミラー1010と、ビームステアリング光学素子912と、走査レンズ914とを含む。適応レンズまたはミラー1010の表面曲率は、(例えば、圧電アクチュエータを使用し)外部から制御してシステムの焦点距離を変えてよい。 たとえば、図10は、(実線で示される)第1の位置、及び、(仮想線で示される)第2の位置にある適応レンズまたはミラー1010の表面を示す。適応レンズまたはミラー1010の表面が第1の位置にあるとき、焦点面916は、加工表面908に対して(実線で示される)第1の位置にある。こうして、レーザビーム906は、加工表面908において(実線で示される)第1のスポットサイズ904を形成する。適応レンズまたはミラー1010の表面が第2の位置へ動かされた後では、焦点面916は、加工表面908に対して(仮想線で示される)第2の位置にある。こうして、レーザビーム906は、加工表面908において(仮想線で示される)第2のスポットサイズ904を形成する。適応レンズまたはミラー1010の表面は、迅速に変えることができるので、加工物表面908のスポットサイズ904は迅速に調節することができる。 ここに開示される実施形態では、より少いパスを使用して、異なる幅のトレンチのルーティングを完了させることによって、加工スループットが向上する。本実施形態ではまた、システム精度と繰り返し性においてより多くの柔軟性が許容され、異なる幅のトレンチが巧く結合される。さらに、本実施形態では、1つのトレンチ幅から別のトレンチ幅までの移行領域内において深さ制御が大幅に向上する。] [0044] この技術分野の当業者にとっては、本発明の基本原理から逸脱することなく、上記の実施形態の詳細に対して、多くの変更を加えることができることは、よく理解できることである。従って、本発明の範囲は、次に続く請求範囲によってのみ決定されるべきである。]
权利要求:
請求項1 レーザビームの単一パスによって材料に複数の幅を有するトレンチを切削する方法であって、本方法は、前記材料の加工表面に対して前記レーザビームの第1の切削速度で、第1のレーザパルス系列を使用して、前記加工表面を切削することと、移行領域において、前記移行領域の始まりの前記第1の切削速度から前記移行領域の終わりの第2の切削速度に漸次に切削速度を変化させることと、前記切削速度が漸次に変化するに従い、前記加工表面を、第2のレーザパルス系列によって切削することと、前記レーザビームの前記第2の切削速度で、第3のレーザパルス系列を使用して、前記加工表面を切削し続けることと、を含み、前記第1の系列の各レーザパルスが前記加工表面で第1のスポットサイズを有し、前記第2のレーザパルス系列が、スポットサイズを、前記移行領域の前記始まりの前記第1のスポットサイズから移行領域の前記終わりの第2のスポットサイズに連続的に変化させ、前記第3の系列の各レーザパルスが前記第2のスポットサイズを有する、方法。 請求項2 前記第2のレーザパルス系列の連続するパルス間の空間距離に対応するバイトサイズを、前記移行領域の前記始まりの第1のバイトサイズから前記移行領域の前記終わりの第2のバイトサイズへ連続的に変化させることを更に含む、請求項1に記載の方法。 請求項3 前記移行領域の前記始まりの前記第1のスポットサイズから前記移行領域の前記終わりの前記第2のスポットサイズに連続的にスポットサイズを変えることが、第2のレンズに対して第1のレンズを動かし、前記加工表面に対して連続的に前記レーザビームの焦点面を変化させることを含む、請求項1に記載の方法。 請求項4 前記移行領域の始まりの前記第1のスポットサイズから前記移行領域の終わりの前記第2のスポットサイズに連続的にスポットサイズを変えることが、適応レンズの表面曲率を変えて、前記加工表面に対して連続的に前記レーザビームの焦点面を変化させることを含む、請求項1に記載の方法。 請求項5 前記移行領域の前記始まりの前記第1のスポットサイズから前記移行領域の前記終わりの前記第2のスポットサイズに連続的にスポットサイズを変えることが、適応ミラーの表面曲率を変えて、前記加工表面に対して連続的に前記レーザビームの焦点面を変化させることを含む、請求項1に記載の方法。 請求項6 前記第1の系列、前記第2の系列、及び前記第3の系列のレーザパルスが、ガウス型スポットを生成する、請求項1に記載の方法。 請求項7 前記移行領域のパルス繰り返し周波数(PRF)が、時間プロファイルPRF(t)を有し、前記第1のスポットサイズがSS1として表され、前記第2の系列の前記レーザパルスのスポットサイズが、時間プロファイルSS(t)を有し、前記移行領域の前記始まりのバイトサイズがδ1として表され、前記移行領域の前記切削速度の時間プロファイルが、Vc(t)= PRF(t)×SS1×δ1/SS(t)である、請求項6に記載の方法。 請求項8 パルス繰り返し周波数(PRF)が前記第1の系列、前記第2の系列、及び前記第3の系列の間でほぼ一定であり、前記第1のスポットサイズが、SS1として表され、前記第2の系列の前記レーザパルスのスポットサイズが、時間プロファイルSS(t)を有し、前記第1の切削速度がVc1として表され、前記移行領域の前記切削速度の時間プロファイルが、Vc(t)= Vc1×SS1/SS(t)である、請求項6に記載の方法。 請求項9 前記第1のスポットサイズが、SS1として表され、前記移行領域の前記始まりのバイトサイズが、δ1として表され、前記移行領域のバイトサイズの時間プロファイルがδ(t)であり、前記移行領域のスポットサイズの時間プロファイルが、SS(t) = SS1×δ1/δ(t)である、請求項6に記載の方法。 請求項10 レーザビームの単一パスによって材料に複数の幅のトレンチを切削するシステムであって、本システムは、前記レーザビームを発生するレーザ源と、前記レーザビームを受信する第1の光学構成要素と、前記レーザビームを前記材料の加工表面に向ける第2の光学構成要素と、を含み、前記第1の光学構成要素が前記材料の前記加工表面に対して焦点面の位置を変えるように選択的に調節可能であり、前記レーザビームによって前記加工表面に切削される第1のトレンチ幅と第2のトレンチ幅の間の移行の間、前記レーザビームと前記加工表面の間の切削速度は、漸次に変化し、前記第1の光学構成要素が一連の変化を受けて、前記加工表面でスポットサイズを連続的に変える、システム。 請求項11 前記レーザビームによる加工の間、前記材料を保持するチャックを更に含み、前記チャックと、前記加工表面に入射する前記レーザビームとの間の相対的な運動が、前記切削速度を決定する、請求項10に記載のシステム。 請求項12 前記第1の光学構成要素から前記レーザビームを受信し、選択的に前記レーザビームを前記第2の光学構成要素に向け直すビームステアリング光学素子を更に含む、請求項10に記載システム。 請求項13 前記第1の光学構成要素が、前記レーザ源と前記第2の光学構成要素の間で移動するように構成される弱いレンズを含み、前記一連の変化は、前記弱いレンズの一連の位置移動を含む、請求項10に記載のシステム。 請求項14 前記第1の光学構成要素がマルチ素子レンズを含み、1つ又は複数のレンズ素子が前記レーザ源と前記第2の光学構成要素の間で移動するように構成され、前記一連の変化が、前記1つ又は複数のレンズ素子の一連の位置移動を含む、請求項10に記載のシステム。 請求項15 前記第1の光学構成要素が適応レンズを含み、前記一連の変化が、前記適応レンズの曲率を連続的に変化させることを含む、請求項10に記載のシステム。 請求項16 前記第1の光学構成要素が適応ミラーを含み、前記一連の変化が、前記適応ミラーの曲率を連続的に変化させることを含む、請求項10に記載のシステム。 請求項17 前記レーザビームがガウス型スポットを有する複数のレーザパルスを含む、請求項10に記載のシステム。 請求項18 前記移行領域のパルス繰り返し周波数(PRF)が時間プロファイルPRF(t)を有し、前記移行領域の始まりのスポットサイズが、SS1として表され、前記移行領域のスポットサイズが、時間プロファイルSS(t)を有し、前記移行領域の前記始まりのバイトサイズがδ1として表され、前記移行領域の前記切削速度の時間プロファイルが、Vc(t)= PRF(t)×SS1×δ1/SS(t)である、請求項17に記載のシステム。 請求項19 パルス繰り返し周波数(PRF)が実質的に、前記移行領域の始まりのスポットサイズが、SS1として表され、前記移行領域のスポットサイズが、時間プロファイルSS(t)を有し、前記移行領域の前記始まりの切削速度が、Vc1として表され、前記移行領域の前記切削速度の時間プロファイルが、Vc(t)= Vc1×SS1/SS(t)である、請求項17に記載のシステム。 請求項20 前記移行領域の始まりのスポットサイズがSS1として表され、前記移行領域の前記始まりのバイトサイズが、δ1として表され、前記移行領域のバイトサイズの時間プロファイルが、δ(t)であり、前記移行領域のスポットサイズの時間プロファイルが、SS(t) = SS1×δ1/δ(t)である、請求項17に記載のシステム。 請求項21 レーザビームの単一パスによって、材料に複数の幅のトレンチを切削するシステムであって、本システムは、前記材料の加工表面で第1のスポットサイズを有するレーザパルスによって、第1の切削速度で前記トレンチの第1の部分を切削する手段と、前記材料の前記加工表面で第2のスポットサイズを有するレーザパルスによって、第2の切削速度で前記トレンチの第2の部分を切削する手段と、前記トレンチの前記第1の部分と前記第2の部分の間の移行領域で、前記第1の切削速度から前記第2の切削速度に、そして、前記第1のスポットサイズから前記第2のスポットサイズに同時に移行する手段と、を含むシステム。
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